光触媒講義ノート |
この講義ノートは、北海道大学大学院地球環境科学研究科物質環境科学専攻で行っていた講義「表面分子動態特論U」の講義ノートに加筆したものです。 |
A + hn ® A* (1)
A*® P (2)
となる。ここでAは光を吸収する物質、hnは光(のエネルギー)、A*はAの光励起状態、Pは反応生成物である。Aが光によって変化し、Pになる反応である。ここでAが光吸収せずに他の物質Cが光励起して起こる反応、C + hn ® C* (3)
A + C*® P + C (4)
があったとすると、Cはあたかも触媒のような役割をしたことになるので光触媒と呼ばれる。C + hn ® C* (5)
C*® C' (6)
A + C' ® P + C' (7)
ここでC'は熱触媒である。C'の寿命が長ければ光を切っても反応が継続するので熱触媒ができていることが分かるが、寿命が短い場合には(3)-(4)の場合と区別ができない。したがってこのような場合も光触媒と呼ばれることになる。j = Nout/Nin (8)
で与えられる。ここでNinは系に吸収された光子数である。フォトルミネッセンスや光電子放出の場合、Noutは放出された光子あるいは電子数である。一方、光化学反応の場合、Noutは実際に化学変化をおこした分子の数を用いる(理化学辞典第5版による)。通常、Ninを正確に測定することは難しいので、代わりに反応器に入射した光子数を用い、その場合のjを見かけの量子収率と呼ぶことがある。量子収率の測定された光触媒と光触媒反応があれば、これを基準として光触媒活性を表してもよいであろう。図1 金属、絶縁体、真性半導体のバンド構造 |
図2 不純物ドーピングによる半導体の作製 |
半導体光電極に用いられる金属酸化物はこのように還元して電気伝導性を持たせたものだ。
ゾル-ゲル法で作製したTiO2粉末は通常、還元しなくとも光触媒活性を示す。これは微粒子の場合、酸素欠陥が最初からあるためである。また、微粒子の場合には光触媒に導電性がなくても起こる反応がある。TiO2粉末を高温で焼成すると光触媒活性が下がる場合がある。この原因を多くの研究者は表面積の減少に関連づけるが、そうではない。第一、光触媒の活性は熱触媒とは異なり表面積と一義的に関連づけることはできない。高温焼成による活性低下の原因の一つは電気伝導度が低下したためであり、水素還元すると光触媒活性は上がる。市販のTiO2で表面積の小さいもの、とくにルチル型は光触媒活性が低いと言われる。これも電気伝導度が低いためであり、光電気化学型の反応の場合、還元によって活性が高くなる。これについては後に述べる。
金属酸化物に不純物をドーピングして半導体にする試みも行われているが、加えた不純物も酸化されることになるから、Siの場合のようにはならない。また、加えられる不純物の量はシリコン半導体などに比べて桁違いに多い。必要量以上に加えられた不純物は半導体中に不純物レベルを作り、電子と正孔をトラップして再結合させる役割をする。したがって、光触媒活性は下がることになる。
E = hn = hc/l (9)
で与えられる。ここでhはPlanckの定数、nは光の振動数、cは光速度、lは光の波長である。定数に数値を入れて整理すると、波長とエネルギーの関係は次式のようになる。l(nm) = 1,240/E(eV) (10)
例えば、3.0eVのエネルギーを持つ光の波長は413nmとなる。半導体が吸収する、もっとも低いエネルギーの光の波長を吸収端波長といい、バンドギャップエネルギーに相当する。吸収端波長よりも短い波長の光を半導体が吸収すると、価電子帯の電子は伝導帯の下端より高いエネルギーに励起される。しかし、このような高励起電子(hot electron)は、通常、速やかに伝導帯の下端までエネルギー緩和する。hotelectronが直接、反応に関与する場合があるという報告もあるが確かではない。バンドギャップより高いエネルギーの光を半導体光触媒に照射しても反応に使われるエネルギーはバンドギャップに相当するエネルギー分だけである。表1 金属酸化物半導体
半導体 |
バンドギャップ |
半導体 |
バンドギャップ |
Fe2O3 |
2.2 |
TiO2(rutile) |
3.0 |
Cu2O |
2.2 |
TiO2(anatase) |
3.2 |
In2O3 |
2.5 |
SrTiO3 |
3.2 |
WO3 |
2.7 |
ZnO |
<3.3 |
Fe2TiO3 |
<2.8 |
BaTiO3 |
3.3 |
PbO |
2.8 |
CaTiO3 |
3.4 |
V2O5 |
2.8 |
KTaO3 |
3.5 |
FeTiO3 |
2.8 |
SnO2 |
3.6 |
Bi2O3 |
2.8 |
ZrO2 |
5.0 |
Nb2O3 |
3.0 |
表2 単体半導体および金属酸化物半導体以外の化合物半導体
(指定のないものはn,p両型あり)
半導体 |
バンドギャップ |
Si |
1.1 |
GaAs |
1.4 |
CdSe, n |
1.7 |
GaP |
2.25 |
CdS, n |
2.4 |
ZnS, n |
3.5 |
半導体粉末の粒径を小さくしていくと、その電子状態はクラスターに近い電子状態に変わっていく。バンドギャップエネルギーが大きくなり、光吸収端が短波長側にシフト(ブルーシフト、青方遷移)する。これを量子サイズ効果と呼ぶ。このような現象が現れるのは一般に粒径が0.1ミクロン以下になったときであり、そのような粉体を超微粒子という。半導体の粒径とバンドギャップエネルギーの関係はBrusの式で与えられる。しかし、伝導帯と価電子帯が粒径によってどのように変わるかを予測することは難しい。量子サイズ効果によって半導体光触媒の活性の向上や新しい機能が期待されており、半導体超微粒子の研究が盛んに行われている。
上に述べたように、半導体のバンドギャップエネルギーは光吸収スペクトルを測定すればわかる。半導体粉末の光吸収スペクトルは可視・紫外分光光度計に積分球を取り付け、拡散反射スペクトルを測定して行う。積分球は中空の球で小さな光入射口と出射口があり、その内面に測定波長領域で高い拡散反射率をもつ白色粉末物質が塗布されている。積分球内に測定試料を置いて出射窓から出てくる光の強度変化を検出器で測定し,標準試料と比較することにより相対拡散反射率を測定できる。試料および標準試料の散乱係数が波長によって大きく変わることがない限り、相対拡散反射率から光吸収率を計算して差し支えない。すなわち、クベルカ-ムンクの補正は通常必要ない。
半導体は他の物質と接触すると、接触した表面の電子構造が変化するという特徴がある。これを利用していろいろな機能性素子を作ることができる。例えば、n-型とp-型の半導体を接触させるとダイオード、トランジスターやその他の半導体素子、太陽電池などを作ることができる。このときpn接合というものが重要な役割をしている。図3はn-型とp-型半導体を接触(pn接合)させたときのバンド構造の変化を図解したものである。接触させると二つの半導体のフェルミ準位は同じ準位になり、その結果、伝導帯と価電子帯は曲がって接続することになる。このpn接合部は空間電荷層と呼ばれ、電場勾配があるためにキャリアー(電子や正孔)はほとんど存在しない。pn接合は整流作用があるのでダイオードとして用いられる。
図3 p-型とn-型半導体の接触とp-n接合の形成 |
さて、空間電荷層とその近辺が光照射されて価電子帯から伝導帯に電子が励起されると、電場勾配のために電子はn-型領域に、正孔はp-型領域に流れることになり起電力が生じる。これがp-n接合太陽電池である。
n-型およびp-型半導体と金属の接触による半導体の電子構造の変化を図4に示す。金属のフェルミ準位がn-型半導体のそれより低く、p-型半導体のそれより高い場合にはフェルミレベルが同じになるように電子移動が起こり、半導体表面の伝導帯と価電子帯に曲がりが生じる。すなわち、空間電荷層ができる。この空間電荷層は整流作用をするのでショットキー障壁(Shottky barrier)と呼ばれる。また、接合面に光照射すると起電力(pn接合より小さい)を生じ太陽電池となる。
図4 半導体と金属の接触による空間電荷層の形成 |
なお、このようなショットキー障壁ができるのは半導体および金属の表面が清浄なときに限られる。空気中に放置してあった半導体と金属を接触させてもショットキー障壁ができることはほとんどない。
半導体と電解質溶液が接触すると、上に述べた半導体と金属との接触と同様のことが起こる。図5にn-型半導体と電解質溶液との接触による空間電荷層の形成を示す。p-型半導体については省略する。このようなショットキー型の障壁ができることは実験により確かめられている。この空間電荷層に光照射して電子-正孔対ができると、電場勾配のために電子はバルク方向へ、正孔は表面へと分離する。このような分離を電荷分離といい、半導体光電極や半導体光触媒で重要な役割を果たす。
図5 n-型半導体と電解質溶液との接触による 空間電荷層の形成と光誘起電子−正孔対の分離 |
半導体光電極セルには半導体電極と半導体電極、および半導体電極と金属電極の組み合わせがある。ここではn-型半導体電極と
図6 n-型半導体電極と金属対極から 構成される半導体光電極セル |
金属電極の組み合わせ(図6)について説明する。図5からわかるように、電解質溶液に接しているn-型半導体の表面には空間電荷層ができているので光照射によってできた電子はバルク(内部)方向へ、正孔は表面に向かう。溶液中に正孔によって酸化される物質(イオン)があると半導体表面で酸化反応が起こる。したがって、n-型半導体電極は光照射下で陽極(anode)として働く。一方、電子は導線を通って対極の金属電極にゆき、溶液中に還元される物質(イオン)があると還元反応(陰極反応)が起こる。なお、このとき半導体と導線の間はオーミック接触でなければならない。また、金属電極には還元触媒活性の高いPtなどが用いられる。反応が起こったかどうかは導線に流れる電流を計ればわかる。
本多と藤嶋は半導体電極としてTiO2(ルチル型)、金属電極としてPtを用い、TiO2極に紫外光照射すると、TiO2極からO2が、Pt極からH2が発生することを見いだした。このときPt電極に-0.5V程度の外部バイアス電圧をかける必要があったが、水の理論電解電圧1.23Vよりもはるかに低い電圧で水がH2とO2に分解されることがわかった。このメカニズムを図7に示す。TiO2表面ではOH-の酸化が起こり、O2が生成する。電子は空間電荷層の電位勾配によってTiO2内部に拡散し、導線を通ってPt極でH+を還元してH2を生成する。
図7 TiO2光電極による水の光分解 −本多・藤嶋効果− |
H2O -> H2 + 1/2O2という反応は自由エネルギーが正の反応であり、室温で自然に(熱力学的に)は起こらない。したがって、この結果は光エネルギーによって水の分解が起こったことを意味し、光エネルギーが水素という形で化学エネルギーに変換されたことになる。この現象は本多-藤嶋効果と呼ばれている。この発見後、第一次オイルショックが起こり、光エネルギーの利用法として注目を集めた。また、SrTiO3を電極とするとバイアス電圧なしで水の光分解が起こることがその後わかった。
それでは上記の水の光分解(光電解ということもある)においてなぜTiO2電極ではバイアスを必要とし、SrTiO3電極では必要としないのであろうか。これは半導体の伝導帯、価電子帯の位置と電極反応の酸化還元電位との関係によって決まる。半導体中に生じる電子と正孔のエネルギー(ポテンシャル)はバンドギャップエネルギーとは関係なく、その(絶対的な)エネルギーに見合う還元あるいは酸化能力しか持たないのである。光電極や光触媒に用いられる半導体の伝導帯の下端および価電子帯の上端のエネルギーと水の酸化・還元電位との関係を図8に示す。
図8 半導体のバンド構造と水の酸化・還元電位 |
図8を見るとTiO2の伝導帯の下端は水からの水素発生電位の少し上(負電位側)にあるのに対し、SrTiO3のそれはより負側にあることがわかる。電極に水素発生(水の還元)電位を与えてもH+とH2が平衡になるだけで水素は生成しない。この電位より負の電位を与えて初めて水素が生成する。平衡電位より余分に与える電圧のことを過電圧といい、その大きさは電極の触媒活性によって変わる。すなわち、触媒活性の高い電極ほど低い過電圧で水素を生成する。Ptは水素発生に高い触媒活性を示すが、TiO2の光誘起電子による過電圧では水素は発生しないと考えられる。それに比べてSrTiO3は十分な過電圧を与えることができるのでバイアスなしでも水の光分解ができることになる。一方、TiO2やSrTiO3の価電子帯上部と酸素発生電位との差は1.5V以上あり、水の酸化に対し過電圧は1.5V以上かかることになるので触媒活性の低い電極でも酸素は生成する。
以上からわかるように、半導体光電極による水の光分解は半導体のバンドギャップエネルギーが水の分解エネルギー(1.23V)より大きいだけでは不十分であり、その伝導帯下端と価電子帯上端が水の還元と酸化電位を挟むような位置になければならない。例えば、GaPとWO3はバンドギャップは水の分解エネルギーより十分大きいが、前者は酸素を、後者は水素を生成することができないのでバイアスなしには水の光分解はできない。
半導体光電極(電気化学)セルで外部バイアスが必要ない場合、二つの電極を離しておく必要がないのでくっつけてしまうことが考えられる。このような素子をNozikは光化学ダイオードと名付けた。半導体と金属をつないだものをショットキー型と呼んでいるが、その界面にショットキー障壁ができると電子が金属に移行できなくなるからショットキー障壁ができないようにしなければならない。ショットキー型の障壁は溶液に接している半導体表面にできる。また、p-型とn-型半導体をつないだものをp-n型光化学ダイオードというが、この場合も半導体-半導体界面に空間電荷層ができないようにしなければならない。
半導体粉末にPtなどの金属を付着させたものが半導体光触媒としてしばしば使われる。このタイプの光触媒はショットキー型の光化学ダイオードを小さくしたものと同等なのでマイクロ光電気化学セルと呼ばれることがある。
図9 金属付き半導体粉末光触媒の模式図 |
図9のような絵が多くの論文や教科書に描かれている。光照射によって生成した電子(e)はPtに移行して還元反応を起こし、正孔(h)は半導体表面で酸化反応を起こすことを示している。このタイプの光触媒は1977年頃から研究されはじめ、当初から半導体光電極セルと同様の機能が期待されていた。実際、実験結果もそれを裏付けている。電極間でイオンが移動するために電解質が必要な光電極セルと異なり、このタイプの光触媒は電解質が無くても働く。これは金属と半導体間の距離がきわめて短く、電解質が無くともイオンが移動できるためである。しかしながら、電解質を加えれば反応が速くなる(活性が高くなる)ことは十分期待できる。
付着させる金属は助触媒ともいわれ、n-型半導体の場合、還元触媒として機能するものであれば何でも良い。さらに酸化触媒をつければ活性が上がるだろうという期待からPtと一緒にRuO2が使われる場合があるが、この考えはおそらく間違っている。RuO2は導電性の酸化物であり還元触媒としても働く。これがたとえ酸化触媒として働くとしても、Ptと共存する場合、電子はRuO2にも行くことになる。一方、n-型半導体の正孔はほとんど動かない(minority
carrierといわれる)ので、これがRuO2に移行することはほとんどあり得ない。もしRuO2添加によって光触媒活性が上がったとすれば、それはRuO2が還元触媒として作用した結果である。
より古くから光触媒として知られていたのは、金属などをつけない、純粋な半導体粉末である。酸素の光吸着、酸素による光酸化反応など、主に気相反応が研究されていた。半導体粉末のみを光触媒としたときのメカニズム、すなわち電子と正孔がどのように反応に関わっているか、は金属付き半導体光触媒の場合のように鮮明ではない。このタイプの光触媒は一般に次のような特徴がある。(1)光触媒活性は金属付き半導体光触媒に比べて著しく低い。(2)光触媒活性は微粒子になるほど大きい。これを熱触媒のアナロジーから光触媒活性が表面積に比例することによると解釈するのは疑問である。半導体表面の光触媒性質が粒径によって変化すると考えるべきである。詳しくは「光触媒研究余談」を参照のこと。(3)光触媒活性が、金属付き半導体と異なり、キャリヤー濃度に依存しない(TiO2の場合、水素還元しても活性変化がない)。(4)光酸化能は大きいが光還元能は著しく低い。(5)水の光分解のような光エネルギー蓄積型(自由エネルギーが正)の反応は起こらない。起こったという報告はあるがすべて再現性に乏しい。個々の反応のメカニズムについては後に考察する。
異なる半導体を混合すると単独の半導体では見られない光触媒性質を示すことがある。これは一つの半導体が他の半導体の助触媒のような役割をするためと考えられる。二つの半導体を混合してもその中間の性質(例えば、バンドギャップエネルギー)を示すことはない。半導体の物性は加成性もない。
熱触媒では触媒を担体に担持、分散して用いることが多い。光触媒でも半導体をSiO2やPVG(多孔質バイコールガラス)に担持することが行われることがある。このようにして分散された半導体は超微粒子よりも小さくなる場合もあり、電子構造は結晶とは異なっている。したがって、光照射によって電子と正孔が生成しているかどうかも定かでなく、金属錯体における電子励起と似たようなものである可能性もある。
半導体光触媒を実用化する場合、粉体は取り扱いに不便であるから薄膜にして用いることが多い。TiO2薄膜はほとんど透明であるから、ガラスにコートすることによりセルフクリーニングガラスにすることができる。また、金属や伝導性物質を基板として半導体薄膜を作製すれば半導体光電極としても使える。色素増感太陽電池の電極としてTiO2薄膜が用いられている。高い光触媒活性を示す半導体薄膜は連続膜のように見えても微粒子半導体の集合である。
金属酸化物の表面は水酸(OH)基で覆われていると考えられ、光触媒反応にも表面水酸基が関与しているとしばしば言われる。表面水酸基によって光還元が起こる、光酸化が起こる、あるいはOHラジカルができる、等々である。また、微粒子金属酸化物半導体を高温焼成すると表面水酸基濃度は減少すると一般に信じられている。しかしながら、半導体光触媒上の水酸基量を実際に測定した研究者は皆無に近く、水酸基の反応への関与は推測で議論されているにすぎない。金属酸化物を空気中に放置しておくと水が吸着する。室温で真空排気して脱離するものは物理吸着している水である。約120℃以下の加熱で脱離するものは表面(あるいは表面水酸基)と水素結合していた水と考えられる。これらは区別して考えられるべきである。
表面水酸基量をNaの吸着量で測定する方法があるが、真に水酸基量を測定しているという根拠は希薄である。表面水酸基の水素はD2Oと容易にH-D交換する。また、D2とも高温でH-D交換し、この反応はPtによって促進される。筆者らは後者のH-D交換反応を利用して様々なTiO2試料の表面水酸基量とその焼成温度による変化を測定した。その結果、表面積が同じであれば表面水酸基量はどの試料でもそれほど変わらないことがわかった。また、焼成によって水酸基量は減少するが同時に表面積が減少しているので密度はほとんど変わらないこともわかった。表面水酸基の光触媒反応への関与を議論する前に、実験による検証が求められよう。
市販の半導体粉末は不純物を含んでいることがあるので光触媒研究のためには自作することが望ましい。以下、よく用いられる半導体粉末の調製法を簡単に紹介しておく。詳細は文献を見ていただきたい。
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