キツツキの仲間

 一般にキツツキと呼ばれていますが、〜ゲラと呼ばれる鳥の総称であってキツツキという名前の鳥はいません。名前にゲラ(ケラ)がつくので、ケラ類とも言われます。ケラの語源はケラツツキ(キツツキの古名)だそうですが、他の説もあるようです。
 北海道に住むキツツキのうち、アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラは、それぞれ亜種エゾアカゲラ、エゾオオアカゲラ、エゾコゲラと分類されます。しかし、アカゲラは背の模様が少し異なるものの、他は形態に大きな違いはないようです。また、ミユビゲラは北海道にも分布していますが、最近の観察報告はありません。
 キツツキ類は木の幹を強力なクチバシで叩いて穴を掘り、木の中の虫を長い舌で捕まえて食べます。キツツキ類の開けた木の穴が小鳥やリスたちの巣穴になっていることがよくあります。
 キツツキ類は繁殖期の囀りをしませんが、それぞれ独特な鳴き方をするので聞き分けができます。なお、鳴き声を聞くにはMP3プレーヤーがインストールされている必要があります。
アカゲラ オオアカゲラ コゲラ ヤマゲラ クマゲラ コアカゲラ アリスイ

アカゲラ(赤啄木鳥)

 キツツキの仲間では最もよく出会うのがアカゲラで、町中の公園などでもよく見かけます。オス(写真左)は後頭部が赤いですが、メス(写真右)は頭部に赤いところはありません。
 キツツキ類は繁殖期の囀りをしませんが、枯れた木の幹をタタタタッと連続的につっつくドラミングをします。3月頃、山中でドラミングを聞くと「春が来た」という気持ちになります。
アカゲラの鳴き声(MP3)を聴く
 

オオアカゲラ(大赤啄木鳥)

 アカゲラによく似ていますが、やや大きく、腹部に黒い縦縞があるのがオオアカゲラの特徴です。オス(写真左)は頭頂が赤いですが、メスは頭に赤いところがありません。鳴き声やドラミングはアカゲラに似ていて聞き分けがすこし難しい。アカゲラより数が少なく、なかなかよい写真が撮れないでいます。
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コゲラ(小赤啄木鳥)

 キツツキ類の中で一番小さく、アカゲラのように大きな声で鳴かないので目立たないですが、数はかなり多いようです。北海道のコゲラを亜種エゾコゲラとしている分類もあります。
 オスは後頭部の一部が赤いので見分けることができますが、普段はほとんど見えず、興奮すると見えるようになるそうです。上のコゲラの写真はよく見ると目の後の白と褐色の際目に小さな赤点があるので、オスであることが分かります。また、オスの嘴基部は黒色であるのに対し、メスの嘴基部は褐色です。
コゲラの鳴き声(MP3)を聴く

ヤマゲラ(山啄木鳥)

 日本では北海道だけにいるキツツキで、これによく似ているアオゲラは北海道にいません。数が少ないのであまり見ることはありませんが、ちょっと変わった鳴き声なので、近くにいるとすぐに分かります。春先、木の幹の傷からしみ出す樹液を飲むのが好きです。
 オス(写真左)は頭頂前部が赤く、メス(写真右)は赤い部分が無く、かわりに黒い縞模様があります。
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クマゲラ(熊啄木鳥) 

 東北地方から北海道にかけての原始林や巨木のある森に住む日本最大のキツツキで、天然記念物です。飛ぶときに独特の鳴き方をするので、近くにいると見つけやすいです。意外に都市近郊にも多くいて、札幌では円山や藻岩山で見ることができます。オス(左)は頭頂部全体が赤く、メス(右)は赤い部分が狭い。
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コアカゲラ(小赤啄木鳥)

 コゲラよりわずかに大きく、アカゲラにある下腹部の赤みがありません。日本では北海道にのみ生息しており、おもに道東方面に分布し、その他の地域では局所的に見られるだけです。平野部に住み、山地の森林にはいません。
 オス(写真左)は頭頂前部が赤く、メス(写真右)は赤い部分がありません。メスはコゲラに似ているので、この写真を撮ったときはコゲラだと思っていいかげんに撮っていたらピンぼけでした。

アリスイ(蟻吸)

 アリスイはキツツキ科の鳥の中では異色な存在です。木をコツコツとつつくこともしないし、キツツキ類とは異なる風貌をしています。また、アリスイだけが夏鳥で冬季は本州以南に渡ります。
 写真ではよく分かりませんが、背中は保護色のような地味な色なので、鳴き声は聞こえても見つけることはなかなか難しい。雌雄同色。アリなど地面や低木の虫を長い舌で捕まえます。
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