カラの仲間

 カラ類はスズメ目シジュウカラ科とゴジュウカラ科の鳥の総称です。カラの漢字は「雀」をあてますが、単独で使われることはありません。
 シジュウカラ科にはシジュウカラ、コガラ、ハシブトガラ、ヤマガラ、ヒガラが属し、ゴジュウカラ科はゴジュウカラ一種です。都市の公園にも住んでいて最も身近な小鳥たちです
 なお、鳴き声を聞くにはMP3プレーヤーがインストールされている必要があります。
シジュウカラ コガラ ハシブトガラ ヤマガラ ヒガラ ゴジュウカラ

シジュウカラ(四十雀)

 山林や公園で四季を通してもっとも普通に見られる小鳥です。体長14-15cm。背中の上部は緑黄色で背は青灰色なのが特徴的です。喉から尻にかけてネクタイのような帯があり、この帯の幅広いのがオスで狭いのがメスです。
 カラ類は混群をつくって樹林帯を移動することが多く、群に出会うといろいろな種類のカラを一度に見ることができます。
 カラ類の囀りは皆よく似ていて聞き分けが難しいですが、最もよく聞くシジュウカラの囀りを覚えることが、聞き分け上達の第一歩だと思います。
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コガラ(小雀)

 コガラももっともよく見かける小鳥の一つです。しかし、黒いベレー帽に蝶ネクタイといういでたちは、困ったことにハシブトガラにそっくりで、この二種を見分けるのが一番、難しいことかもしれません。コガラの写真をハシブトガラと同定しているブログをよく見かけます
 コガラはハシブトガラより嘴が少し小さいですが、単独で見たときにはなかなか分かりません。決定的な違いは尾羽の形状(写真左上)で、コガラは丸く、ハシブトガラは角っぽいことです。
 囀りはシジュウカラによく似ており、慣れないと聞き分けが難しい。体長13-14cm。雌雄同色。
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ハシブトガラ(嘴太雀)

 国内では北海道にのみ住んでいます。コガラより嘴が太いので嘴太雀(ハシブトガラ)と呼ばれますが、比較しないで見分けられるほど太くありません。コガラが針葉樹林に、ハシブトガラが広葉樹林に住み分けているとも言われますが、一緒にいることが多く、この説はあてになりません。ハシブトガラは一般に平地や水辺に近いところに多いようです。
 コガラとの決定的な違いは、コガラのところで書いたように、尾羽の形状で、ハシブトガラは角尾です。見た目には頭に光沢があり、嘴の合せ目が白っぽく、やや丸く肥っているように見えます。
 囀りはあきらかにコガラと異なり、聞き分けられますが、やはり慣れが必要でしょう。体長13-14cm。雌雄同色。
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ヤマガラ(山雀)

 ヤマガラは他のカラ類よりカラフルで見つけやすく、人になれやすいので観察しやすい小鳥です。人の手の上の餌を取っていったりします。
 囀りは抑揚があって聞き分けやすい。体長〜14cm。雌雄同色。
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ヒガラ(日雀)

 コガラよりやや小さく、頭の毛が立っており(冠毛)、喉の黒いところが幅広くよだれ掛けみたいです。数が少ないのかあまり出会いません。他のカラ類のようにヒマワリの実を食べない(殻を割れない?)ため、餌台に来ることがなく見る機会はさらに少ないです。
 囀りは少しテンポが速い。体長12-13cm。雌雄同色。
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ゴジュウカラ(五十雀)

 上記のカラ類はシジュウカラ科ですが、ゴジュウカラはゴジュウカラ科です。北海道のゴジュウカラは亜種でシロハラゴジュウカラといわれます。木の幹を下向きに歩くことができる特技を持っています。しかし、木の実などを足で押さえることは苦手で、ヒマワリの実などは木に幹のすき間に差し込んで固定し、割って食べます。
 ゴジュウカラは尻の部分が汚れているように見えるので、山で仕事をする人たちは「ケツクサレ」と呼んでいました。
 囀りは大きな声でフィーフィーと鳴きます。体長14-15cm。雌雄同色。
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