留鳥

 北海道で一年中見ることができる山野の鳥(留鳥)を集めてみた。カラ類キツツキ類は別のページ。スズメとカラスは除外。

カケス ウソ シメ ヒヨドリ
キバシリ エナガ キクイタダキ エゾフクロウ
エゾライチョウ イスカ ハクセキレイ

カケス(亜種ミヤマカケス)
(カラス科)

 本州以南に分布する亜種カケスの頭頂部は白地に黒縦縞だが、北海道に分布する本種は頭部が茶色に黒縦縞である。翼の白-水色-黒模様がきれいだ。ジャージャーと悪声で鳴くが、動物や鳥の鳴き真似がホンモノと聞き間違うくらいうまい。
 札幌周辺で厳冬季に見かけることが少ないので、冬季は暖かい地方に移動していると思われる。

ウソ
(アトリ科)

 夏は亜高山帯に住み、冬は平野部に下りてくる。オス(上)は首の前部分が赤く、メス(下)は赤みがない。ヒー、ホーなどと鳴き交わしながら集団で移動する。早春、サクラの芽を食べに市街地にやってくる。亜種アカウソとベニバラウソは冬に渡来する。

シメ
(アトリ科)

 北海道では夏鳥(本州では冬鳥)だが、少数は渡りをせず越冬している。クチバシの色が夏(3月以降)は鉛色で、冬は肌色に変わる。

ヒヨドリ
(ヒヨドリ科)

 北海道では元は夏鳥だったが近年は都市部を中心に留鳥となるものが多い。街中でスズメやカラスと同じくらいよく見かける。

キバシリ(亜種キタキバシリ)
(キバシリ科)

 ゴジュウカラのように木から木へ素早く飛び移りながら、木の皮に潜む虫類を採餌する。小さくて保護色なので見つけにくく、すばしこいので写真に撮るのはたいへんである。

エナガ(亜種シマエナガ)
(エナガ科)

 シマエナガの「シマ」は島のことで、この場合は北海道を意味する。亜種エナガは前頭部から頭頂部が白く側頭部は黒いが、北海道に住む本種は後頭部以外の頭が白い。
 全長13cmくらいだが尾が長く半分くらいを占める。日本で最小の野鳥はキクイタダキ(全長9.5cm)とされているが、尾を除く本体ではエナガの方が小さいように見える。
 この鳥もすばしこくて写真家泣かせである。春先、樹液を飲みに来るときは比較的ゆっくりしているのでデジスコでも撮れた。

キクイタダキ
(ウグイス科)

 わが国最小の鳥で主に針葉樹林に住む。松の木の中にいると見つけるのが難しい。オスは黄色の冠毛の中に赤い帯があるが普段は見えない。興奮したりすると見えることがあり、「菊の花が咲いた」といわれる。
 ビデオで連続的に撮影していると偶に赤い部分が見えることがある。写真に撮るのは難しいのでハイビジョンビデオから切り出してみた(下)。

フクロウ(亜種エゾフクロウ
(フクロウ科)

 「ボロ着て奉公」と聞きなされる鳴き声はよく知られているが、夜間に活動するので見ることは少ない。しかし、昼間は樹洞などの巣穴で眠っていることが多く、同じ場所に長期間、滞在するので一度見つけると観察が容易である。春先に番でいるとマスコミの話題となり、営巣場所に沢山の人が詰めかけたりする。 

エゾライチョウ
(ライチョウ科)

 亜高山帯以下の森林に住み、高山にはいない。ほとんど歩いて移動し、飛翔力は弱い。積雪期も森林帯にいるが本亜種ライチョウのように白色に変色することはない。
 北海道にヤマドリはいないが、エゾライチョウが俗に「ヤマドリ」と呼ばれている。狩猟鳥であるので近年、激減しており保護が必要である。

イスカ
(アトリ科)

 夏は高山に生息するが冬は平地に下がってくる。春先には都市近郊の公園にも現れる。オスは通常、橙赤色型(上)だが黄色みの強い個体(中)も希にいる。メス(下)は淡黄色。
 上下のクチバシが食い違っているのは、松ぼっくりをこじ開けて松の実を食べるのに適している。「イスカの嘴(はし)」は、物事が食い違って思うようにならないたとえとして使われるが、イスカにとっては思うように使える便利な道具である。

ハクセキレイ
(セキレイ科)

 北海道にいるセキレイ類は本種とキセキレイ、セグロセキレイの3種である。もともとすべて夏鳥だったが、最近、ハクセキレイは一部、越冬するようになった。札幌市内では温暖化のためかカワセミやオシドリの越冬も見られる。


以下準備中

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